第10回助成事業
みなさまのご寄付のおかげで第10回も無事に助成を実施できました。
心より感謝申し上げます。
第10回の助成事業について、助成先からの事業報告をもとに、事業への思いや実施した内容などをご紹介します。(順不同)
○助成事業数:4件 ○助成金総額:1, 000,000円
◯活動期間:令和3年10月1日〜令和4年9月30日
✱事業名:こどものうえんぷろじぇくと 2021▷2022
農作業を通じて暮らしている地域への愛着を育んだ事業
こどもたちにさまざまなことを教えてくれる自然の中での仲間との遊び。
生きるまなびの場といえるそのような場を若松区ひびきのを拠点に展開している特定非営利活動法人あそびとまなび研究所による事業です。
今回の助成により取り組んだのは、赤ちゃんを含む子どもたちが1年を通じて農園で農作業を手伝ったり、豊かな自然と触れ合う活動です。
➤事業概要
農園を訪れ、収穫や自然、農作業の体験、地域の自然観察や散策、自然のなかでのあそび、ゴミ拾いや緑を育てる環境美化活動をはじめ、次のようにさまざまな活動を1年を通じて実施しました。
・毎月2回程度の農園活動:15組の親子が参加
・夏休み、冬休みなどの長期休みにビジターツアーを実施。大学生や高校生ボランティアなどとともに活動。
・春、秋に行われるアグリゾートフェスティバルにブース出店し、子どもたちが農園活動を紹介。遊びコーナー等を作り、子どもたちと運営、参加して来場する方々とのコミュニケーションを深めました。
・植物観察会、水彩画制作活動、クラフトなど
➤事業の成果
子どもたち、特に幼い子どもたちにとって、今育っているこの場所でのあそびこそが学びの土台であり、自然の中の遊びは特に重要です。
今回の事業を通して、身近で豊かな自然の中でゆっくりと過ごし、仲間とともに農作業などを行うことで、子どもたちのなかに、今いる場所、暮らしている地域への愛着を育てることができました。日常生活において欠損しているシビックプライドの根幹となる生活地域での自然体験活動や遊びの時間を取り戻すことができました。
➤課題と今後の展望
コロナ禍にあって、常に工夫を重ねながら活動を継続してきました。少子化でマイノリティ化している子どもたちの居場所を守り、生み出し、育ちを補償することは、すべての大人が責任を持って取り組むべき課題であり、
持続可能な社会の根底となります。
今後も細々ではありますが、定期的な活動実施、活動紹介、啓発、ビジター活動を行い、多くの親子に地域の農業や緑地について、体験にもとづいて理解し、活動する人になってもらいたいです。
➤1000人の夢寄金について
コロナ禍で活動実施が危ぶまれるなか、事業計画に対して一部を助成いただき、活動を継続することができました。ありがとうございました。参加者の負担が軽減でき、SDGsの視点からも、誰にも公平に参加機会を提供できたいと思います。
農作業体験の様子
✱事業主体である特定非営利活動法人あそびとまなび研究所 webサイトはこちらをクリック→こちら
✱事業名:Kitakyushu夢プロジェクト〜七色の子どもたち〜
夢に向かって取り組む子どもたちをオンライン番組で紹介
YouTubeにて北九州市の子どもたちの活動を紹介している「Kitakyushu夢プロジェクト」。さまざまな分野で大きな志や目標を持ち、努力を積み重ねている子どもたちを多くの市民で応援していく環境をつくりたいという思いでYouTubeにて発信する活動をしてきました。
今回の助成では、これまでの活動の集大成として、子どもたちを紹介するプロモーションビデオの作成を含め、彼らの存在や取り組み、今何を考えているのかなどを市民のみなさんに知っていただくYouTube番組を作成し配信しました。
➤事業概要
●番組タイトル:KITAKYUSHU 夢プロジェクト -はばたけ!七色の子どもたち-
●配信日:2021年11月14日(日)12:00〜13:00(YouTube)
●オンライン配信概要:JCI北九州の公式YouTubeチャンネルを用いて、事務局 スタジオから司会者2名を含めたオンラインによる子どもたちの活動紹介、 プロモーションビデオ、実演などの番組をオンラインで配信しました。
●番組構成:これまでに紹介してきた子どもたちのなかから、5組を選定。
子どもたちの練習風景や賞歴紹介などの映像を紹介したあと、実際に演技や 迫力のある約30秒のプロモーションビデオを一人ずつ上映しました。
撮影や番組配信の会場では感染症防止対策を万全に行いつつ、充実した発表会を行いました。
➤事業の成果
YouTubeの視聴回数が1,300回を超えました。これも北九州市に住む子どもたちを応援したいというみなさんの気持ちから生まれた結果だと思っています。
紹介した5組の子どもたちそれぞれのプロモーションビデオをつくり、配信することは、子どもたちにとってかつてないほどの経験をしていただきました。
➤課題と今後の展望
夢プロジェクトの1年の集大成として番組の制作を行いました。本コロナ禍の影響を受け、当初描いた計画通りにはいかないこともありましたが、番組に出演していただいた5団体の子どもたちから学ぶことも多く、彼らのコロナ禍 という現状でも前を向いて活動する、夢に向かって頑張る姿、そして力強い眼差しに感銘を受けました。まだまだ市民に知られていない子どもたちの活動や夢を伝える機会が今後増えていくことを期待します。
➤1000人の夢寄金について
プロジェクトを行う時はどうしても資金が必要となってきます。1000人の夢寄金に助成いただいたおかげで素晴らしい事業を行うことができました。
本当にありがとうございました。
YouTube番組撮影の様子
✱北九州夢プロジェクトのYouTube番組はこちらをクリック→こちら
✱事業名:新「学習教材」を活用した「生き方のデザイン授業」
子どもたちの「主体的に生きるチカラ」を育む取り組みを真摯に推進
障害のあることを強みに、自分らしい生き方をデザインしている人たち(生き方デザイナー)が講師となり、子どもたちが主体的に生きるチカラを育む『生き方のデザイン授業』を公教育に届けている一般社団法人 生き方のデザイン研究所。
今回の助成では、2020年度に1000人の夢寄金で助成いただき制作した新たな学習教材を活用した「生き方のデザイン授業」を実施。あわせて新学習教材の使い勝手や子どもたちの学習効果などについて伺う調査を、現場の先生方を対象に実施しました
➤事業概要
子どもたちへの「生き方のデザイン授業」を届けながら、現場の先生方にモニター実施協力を依頼し、先生との打合せや実施後のアンケートによる使用感や子どもたちの理解度等の調査・検証を実施。その結果を踏まえた教材のブラッシュアップを行いました。
●「生き方のデザイン授業」実施校数及び受講生徒数
・小学校:13校、769名
・中学校:2校、274名
・高等学校:2校、29名 以上、いずれも北九州市内の学校。
●先生との打合せやアンケート実施概要
・モニター実施校:9校、・実施クラス:20クラス、・回答:13クラス
➤事業の成果
新教材のモニター実施やブラッシュアップを進めるなかで、先生方から「子どもが『自分ならどうしよう』と主体的な意見がよく聞けた」との意見もあり、これから福祉教育を展開していくための大事なポイントを子どもたちから教わりました。
今回の取り組みは、「生き方のデザイン授業」を先生方に理解していただく機会になり、同時に学校のオンライン環境の制限と、それが子どもたちの学びの制限につながるという危惧を共有できました。先生方の総合的な学習の時間に対するモチベーションの維持や、外部機関と授業することでの効率化などに貢献できたと感じています。
➤課題と今後の展望
こちらが想定する形でデジタル紙芝居のデータを学校に届けることができませんでした。国内外でメジャーと思われるアプリでの再生を想定して教材を作成しましたが、北九州市教育委員会独自のセキュリティのため北九州市内の学校では使用を許可されておらず、教材内の音声や動画か再生されないという状況が発生。
最低限、動画だけでも再生できるよう別データでお渡し対応しました。
教材は4年生以上の利用を想定していますが、モニター校の意見から、低学年や特別支援学級で台本を読み進めて意味理解をしていくことは難しかったという意見があり、低学年向けのプログラムの再検討も今後必要だと感じています。
➤1000人の夢寄金について
助成を通じて当研究所の活動を支えていただき、そのことで活動がよりブラッシュアップされたと感じます。企業の社会貢献とNPOのニーズをつなぐことについて、今後もお知恵やお力を貸していただけますと大変心強く思います。
生き方のデザイン授業の様子
✱事業主体である一般社団法人 生き方のデザイン研究所 webサイトはこちらをクリック→こちら
✱事業名:北九州市の園児・小学生親子総勢1500人による「本気の大運動会」
親子が笑顔になり、若者と企業をつないだ大運動会
「子どもが笑えば大人が笑う。大人が笑えば子どもが安心する」という想いを背景に、「1500人の本気の大運動会」を開催。親子で楽しめるよう工夫したプログラムを取り入れ、たくさんの笑顔があふ、SNSでも多数の反響をいただ
きました。
また、「人と笑顔を繋ぐ事業にする」というサブテーマを設け、大学生と地元企業さんをつなぐ取り組みにも挑戦しました。
➤事業概要
●開催日:2021年11月21日(日)
●会場 :八幡東区 桃園運動場
●参加者総数:1,400名超(見学者、運営スタッフ、140名の大学生ボランティア含む)
●参加費:園児、小学生親子とその親族を対象として参加費一人500円で開催。
●特徴 :①リレーや綱引き、借り物競争といった一般的な競技に加え、親子が楽しめるよう工夫した玉入れや鬼ごっこをモチーフにした一風変わった競技をふんだんに盛り込んで展開。
②大学生と地元企業とのつなぐことも意識的に展開。
➤事業の成果
親子の笑顔や思い出を作ることができたことが一番の成果だと考えています。運動会終了後より、私たちが運営するSNSに、「親子で思い出をつくることができた」「子ども成長を見ることができた」「運動に関する関心が高まった」他の多くの反響があり、参加者によるSNSへの投稿により、北九州が魅力のある、笑顔あふれるまちであることを他の地域の人々に周知できたと認識しています。
また、若い世代が主体になってイベントを運営することができたこと、彼らにイベント運営のノウハウを伝えられたこと、多数の企業が当事者として応援してくださったこと、大学生と企業の方々とのつながりをつくることができたことも大きな成果だと思っています。
➤課題と今後の展望
参加者が当初の計画より少なかった原因は私たちの集客能力不足だと思い、情報をもっと多くの方へ届ける方法を考えているところです。一方で、学生ボランティアは当初予定より大幅に増え、今後の展望も含めて前向きに捉えております。
プログラムについては、大きなケガはなかったものの、転倒や衝突があり危険だという参加者様からのお声をいただいた競技もありました。対策として、運動会実行委員会でシミュレーションを行うことや、幼稚園や小学校の教員などから意見を頂戴してプログラムを立案する所存です。
また、イベント開催にあたり参加費の捻出が難しい家族への配慮についての意見をいただきました。イベント開催には資金が必要なため、持続可能なイベントにするためにも企業やボランティア、地域のみなさまから応援されるイベントにできるよう取り組んでいきたいと考えております。
➤1000人の夢寄金について
運動会開催にあたり資金集めに難渋するなか、運営スタッフの知人から1000人の夢寄金のことを教えてもらいました。正直なところそれまでは同寄金の存在を認識しておりませんでした。若者にも周知できる取り組みをしていただければ、よりフレッシュなアイデアのある事業を応援できるのではないかと思います。
本気の大運動会の様子
「本気の大運動会」を紹介しているSNSはこちらをクリック→こちら