第12回助成事業
みなさまからのご寄付により第12回助成も無事に実施することができました。
本年度、1000人の夢寄金の助成を通じ、事業参加者総数1,511人の市民の方々に
‘楽しい’‘うれしい’‘面白い’‘助かった’をお届けできました。
みなさまからのご寄付のおかげです。心より感謝申し上げます。
助成先からの事業報告をもとに、事業への思いや実施した内容などをご紹介します。(順不同)
○助成事業数:7件 ○助成金総額:2,763,000円
◯活動期間 :令和5年(2023年)10月1日〜令和6(2024年)9月30日
✱事業名:北九州映画サークル協議会創立70周年記念
『映画の原点 北九州活弁LIVE』
活動写真弁士を迎えた無声映画上映で北九州の映画文化を盛り上げる!
創立以来、北九州未公開作品等の上映会を開催し続けている北九州映画サークル協議会による
無声映画三部作の活弁LIVE。
『映画の街・北九州』の文化度を上げ、都市格向上を目指し、スマホ等でも映画を楽しめるよ
うになった現在だからこそ「もう一度、映画の原点に立ち返ろう」と企画・実施しました。
➤事業概要
●開催日 : 2023年11月23日(木・祝)
●開催場所: 戸畑市民会館大ホール
●事業概要:無声映画『子宝騒動』(1935年/日本)や『チャップリンの午前一時』(1916年)、
阪東妻三郎主演のチャンバラ映画の最高峰『雄呂血』(1925年/日本)を日本独自
の映画芸術形態である活動弁士として海外でも好評を博している片岡一郎氏の
語りと上屋安由美氏のピアノ生演奏付きで上映し、約3時間にわたって開催され
ました。
➤事業の成果
当日は一般の方、学生、障がいのある方、北九州映画サークル協議会の会員を含め、391名の
参加がありました。開催後に実施した来場者アンケートでは、回答者のうち「大変良かった」
「良かった」という回答が98%と好評でした。
北九州氏が「映画の街」として注目を集めるなか、活動写真弁士の語りと楽師の伴奏により
映画の原点ともいうべき無声映画上映会は「映画を観ることの原風景」として、「映画の街・
北九州」の文化度をさらに上げ、都市格の向上に貢献できたものと考えます。
➤課題と今後の展望
利用した会場の土日利用は競争率が激しく確保が難しかったため、苦肉の策で祝日の開催に
しましたが、会員の参加が予想より少なく残念に思っています。
会メンバーの高齢化は否めず、継続して事業を行うためには若年層の入会を促進し、北九州
映画サークル協議会の歴史と活動に関心を持ってもらうことが課題です。
今後も社会に対して会の活動をアピールし、一人でも多く会員を増やして毎月の例会活動を
積み重ね、10年後の創立80周年に向けて心新たに全員で邁進したいと考えています。
➤1000人の夢寄金について
予算の少ない市民主体の文化事業にとって1000人の夢寄金助成事業は大変貴重な存在です。
1000人の夢寄金の助成交付によって実施したい文化事業の可能性が広がり、企画内容をより
豊かにすることができます。
市民による草の根的な文化事業を数多く継続することは、1000人の夢寄金の目的のひとつで
ある北九州の都市品格を上げることの屋台骨を支える重要な要素であり、将来的にも助成事業
の継続を希望しています。
○事業主体である北九州映画サークル協議会のホームページはこちらをクリック →こちら
✱事業名: 【新小倉昭和館再開告知プロジェクト】
感謝の思いと再建の告知を無料上映会というカタチで表現
2022年8月10日の旦過地区の火災により焼失した小倉昭和館が2023年12月に元の場所で
再建しました。これに先立ち、再開へ向けた応援してくださった方々、映画館に足を
運ばない方など、より多くのみなさんに映画を楽しんでいただきたいとの想いから無料の
上映会を企画・実施および新小倉昭和館再開の告知を行いました。
➤事業概要
●開催日 : 令和5年12月8日(金)・9日(土)
●開催場所: 小倉昭和館
●事業概要:令和5年11月8日より申込み受付を開始し、応募者の中から抽選で、上映会
両日127名(常設座席数) を招待して「ニュー・シネマ・パラダイス」の無料
上映会を実施しました。
上映会とあわせて小倉昭和館の再会を告知するポスターやチラシを作成し、
館内掲示はもとより、市内の文化施設、商業施設ほかご協力いただいた施設
・店舗各所に掲示、配布をお願いしました。また、令和5年12月1日(金)〜17日
(日)に開催された北九州国際映画祭の会場の一つとして貸し出し、広報活動へ
協力しました。
➤事業の成果
今回の事業実施により、北九州市の映画文化ならびに旦過地区火災からの復興を広く知らし
めることができ、新聞・テレビ等のメディアへの露出により、北九州市唯一の単館系上映館
の再建をより広く周知し、「映画の街・北九州」のイメージを広く発信することができ、
映画文化の発展に大きく寄与し、市内外の方々に明るいニュースをお届けできたと思います。
➤課題と今後の展望
企画当初の予定よりリーフレット作成の大幅な遅れとその状況を把握できていなかった状況、
厨房施設やロビースペースの家具什器手配の遅れほか、余裕を持った計画づくり、スケジュー
ル変更の把握やその対応に課題を残した結果でした。
今後は、余裕を持った計画的の事業計画づくりとその実施、予定に遅れが生じた場合の速やか
な現状把握と対策をしっかり行っていきたいと考えています。
また、上質なミニシアター系作品の上映による映画文化の発展、多面的な映画体験の提供を
継続して行うと同時に、劇場の貸館サービスや美術館、文学館とのコラボレーション企画を
行う等、より活発な文化交流を行える場の提供を計測していく考えです。 同時に、旦過地区
復興にあたり、パブリックスペース、厨房設備も活用したコラボレーションを計画し、北九州
市民をはじめ、他地域からの来訪者等、より多くの人々の交流の活性化の一助になれるよう
努力して参ります。
➤1000人の夢寄金について
これまで小倉昭和館では宣伝広告費がなく、自社でイベントチラシを作ることしかできません
でしたが、新小倉昭和館再開告知を市内外の方に広く知らしめることができたのは1000人の
夢寄金の助成をいただけたからこそです。
また、無料上映会を行うことで、再建に至るまでの応援・支援をしてくださったみなさまへの
お礼の気持ちを表すことができ、喜びを共にいただけたことは幸いでした。 通常できないこ
とを可能にするお手伝いをしていただける夢寄金を、もっと多くの方に知って頂くべきだと
思います。
○事業主体である小倉昭和館のホームページはこちらをクリック →こちら
✱事業名: 関門海峡建築展2024 北九州新人戦・九州卒業設計展
学生自身が企画・運営し、議論の場を設けた建築展
「北九州に建築議論の場を」をスローガンに、北九州市の建築教育・文化の発展に貢献し、
北九州や九州に根ざした独自の展覧会にしたいとの想いで学生自身が企画運営した建築展。
学生が個人の殻を破り、成熟した感性や思考を養うきっかけとするため、出展する学生と
審査員である建築家が一対一で議論できる場を設けた。
➤事業概要
●開催日 : 2024年2月23日(金)・24日(土)
●開催場所: THE OUTLETS KITAKYUSHU スペースLABO内 企画展示室
●事業概要:北九州市内の建築学科を有する北九州市立大学、西日本工業大学、九州工業大学
および九州・山口に所在地がある大学の学生を対象に、学校課題や卒業設計課題
等、学生が設計した作品を募集し、第一線で活躍している建築家の方々に直接作
品を講評いただく形式で建築展を展開。建築を学ぶ学生はもとより、一般の方に
も参加いただき、建築を学ぶ学生がどのような着眼点で建築を考えているのか等
を知ってもらうきっかにしたいと考え、商業施設にある空間で展開しました。
➤事業の成果
北九州、福岡県内にとどまらず隣県からの参加も含め36名が出展しました。商業施設にある
スペースLABOを会場にしたことで、同LABOの来場者をはじめ、家族連れ等、幅広い年齢層
のかたに展示を観てもらうことができました。
また、出展者同士や建築家との議論をとおして地域のこと、敷地のことに目を向けるきっかけ
を生む展示になりました。九州以外に拠点を持つ審査員を数名招聘したことで、学生にとって
は外のことを知る良い機会にもなりました 審査員からは「学生だけで質の高い運営を行って
いる団体が北九州にあることを知れて良かった」と評価いただき、北九州のイメージアップや
今後の北九州という地での設計を意識していただくきっかにもなったと思います。
➤課題と今後の展望
一般客の来場に向けて開いた建築展に育てるために必要な、一般向けの広報活動が足りていな
いことをはじめ、資金面の課題があります。基本的に学生の行動範囲内の企業にしか協賛依頼
を行いにくいため、依頼範囲の拡大が難しく予算の増加が見込めない状況にあることも課題で
す。
また、団体運営を担当する学生の人数が減り、マンパワーが不足して協賛金による資金集めも
難航することが予想できる状態です。 上記の状況のため、今年度中に予算内から多く繰越し
金が残せるように調整し、来年度以降も建築展の継続開催ができるように努めます。
➤1000人の夢寄金について
寄金の存在を知らない事業者・支援者もまだ多く存在するかと思いますので、より広く周知
されるよう広報活動に力を入れても良いのではないかと感じております。
○事業主体である北九州建築デザインコミュニティtonicaのホームページはこちらをクリック
→こちら
✱事業名: 第6回北九州市民映画祭 青山真治監督特集
ボランティアスタッフが奮闘して実現した青山真治監督特集
映画好きの北九州市民と世界的に知名度の高い北九州出身の青山真治映画監督がタッグを
組み、2010年に始まった北九州市民映画祭。昨年3月に急逝した青山監督を偲び、国内各所
で追悼上映会が催されたものの北九州市では行われていなかったことから、追悼として
青山監督を特集した市民映画映画祭を企画・実施しました。
➤事業概要
●開催日 : 2023年12月8日(金)〜10日(日)
●開催場所: 北九州市立美術館分館
●事業概要:映画監督としてカンヌ国際映画祭をはじめ国内外で高い評価を受け、音楽家、
小説家、舞台演出家としても活躍しながら、2022年3月に57歳の若さで早逝した
青山真治監督の追悼企画として、その功績と才能に触れる9プログラム14作品を
上映。あわせて故郷北九州と深く関わり続けた青山監督監督が吸収したもの、
生み出したもの、背負ったものに迫り、北九州の文化的な風土を再認識する機会
づくりと監督の故郷で開催する意義を追求して、開催期間中毎日ゲストトークを
実施しました。
➤事業の成果
当事業は、青山監督の作品を故郷・北九州で上映することで、地元の方々が監督の才能を
再評価し、監督が北九州市で生まれ育ったことに対する誇りを醸成することを目標に開催
しました。さらに上映機会の希少な作品を上映することで、全国の映画ファンに北九州市
の映画文化度の高さを知っていただくことにもこだわりました。
また、未公開作品の上映による映画ファンの満足づくり、専門家による解説・トークによる
青山監督作品の理解拡大、市民ボランティアスタッフによる文化および地域の活性化、映画
による地域活性化と文化振興等を目的および期待される効果として実施した結果、掲げた目的
等はすべて十分に達成できました。トークイベント無料来場者を含め、来場者数はトータルで
607人でした。
今回の企画に賛同し、国内外で活躍する多くの映画関係者や監督の同窓生も含めた地元の有志
からの協力を得たうえで、上映環境インフラ整備や作品選定、ゲスト選定を行い、北九州市民
映画祭の併催企画として『青山真治クロニクルズ展』も開催したことで、大学生など若い来場
者をはじめ、文化に興味を持つ方々の創造力を喚起し、次世代への芸術文化の発展に寄与した
と考えます。
➤課題と今後の展望
北九州市主催の北九州国際映画祭と相乗効果を図るため情報を共有していましたが、同時期開
催の結果、お客様の混乱を招いた感は否めません。また、世界的に評価と集客力の高いメジャ
ー作品はほぼ北九州市主催で上映されたこともあり、北九州市民映画祭は上映意義はあるもの
のマイナーな青山作品を上映することとなり、実施内容への高評価に繋がったが収入的にはか
なり厳しく大きな赤字の結果となりました。上映作品によっては発掘や許可取りに3ヵ月要し
た作品もありました。
一方で、今回実施したことで本映画祭の市民ボランティアスタッフが増えました。スタッフ
と共通の目標を達成する経験を通じて、今後の文化イベント企画創出につなげ、地域の発展に
寄与したいと考えています。
➤1000人の夢寄金について
貴寄金には創設当時より度々お世話になり、文化に関する民間の助成団体としてとてもありが
たい存在であり、北九州の文化振興のために存続していただきたいと考えています。
○事業主体である北九州市民映画祭のホームページはこちらをクリック →こちら
✱事業名: 北九州ドリームサミット2023
中学生が北九州のまちづくりについて自ら考え、行動し、提案!
次世代のリーダー育成を目的に実施された『北九州ドリームサミット2023(以下、KDS)』。
議員と呼ばれる北九州市内の中学2年生が北九州市の未来を見据えて議論を行い、実際に
行動を起こして検証して、その結果を広く市民に発信していくという全国的に類を見ない
スタイルで展開している青少年健全育成事業です。
➤事業概要
●開催日 : 2023年5月〜2024年2月
●開催場所: 北九州市立商工貿易会館、八幡西生涯学習センター、北九州市議会棟他
●事業概要:キックオフミーティングから始まり、北九州市の課題や行政への提言に
ついて、北部九州豪雨災害義援金を集める方法などを協議した全5回の
運営会議を実施。北部九州豪雨災害の義援金を集める目的で飲料等を
販売するブースをわっしょい百万夏まつりに出店し、久留米市長を表敬
訪問して集まった義援金を進呈する取り組みも実施しました。
2013年11月にはKDSの中学生が北九州市議会棟で市長・議長・教育長等
と意見交換し、中学生の視点でまちづくりの提案を行いました。
➤事業の成果
北九州市内の中学2年生42名が参加し、北九州市の課題は何かを考え、真剣にディス
カッションすることでまちへのシビックプライドの醸成を図ることができました。
また、北部九州豪雨の被災地に対して自分たちでできることを中学生自身が考え、
義援金を集めるために行動し、集めた義援金を被災地に届けるとともに、現地視察を
行いました。この経験は、果敢にチャレンジしていくことの大切さ、このまちの未来
のリーダーとして活躍する人財へと成長できた体験となったと思います。 この事業を
通じて、自分のまちを愛し、リーダーシップを持つ人財を多く増やしていくことで、
北九州市の都市格向上に貢献できたと思います。
➤課題と今後の展望
助成金申請時に立てた計画は概ね予定通りに進めることができました。しかし、何を
行うのかは中学生自身の意見をもとに進めていくため、中学生の意見と予算内で実施
することの兼ね合いがこの事業で必ず出てくる課題です。
また、当事業を運営する一般社団法人の会費と協賛金収入のみの少ない予算で運営し
ているため、できない内容も多くあります。
予算の多くを事業費として使い、子どもたちに貴重な体験をしてもらうためには広告費
や事務局費等を削減する等、継続的にこの活動が続けて行けるよう取り組みたいと思い
ます。
➤1000人の夢寄金について
何かを行うためにはお金が必要になるため、1000人の夢寄金はまちづくりを行う上で
大変良い取り組みだと思います。知らない方もいると思いますので、広く発信してい
ただき、未来を担う子どもたちの取り組みにさらなる支援をしていただければと思い
ます。
○事業主体である北九州ドリームサミットのホームページはこちらをクリック →こちら
✱事業名: 有名漫画家、陸奥A子の「夢!マンガ・絵本くらぶ」
陸奥A子さんを塾長に迎えたマンガと絵本の塾!
2023年小学生がなりたい職業ランキング第1位は「マンガ家・アニメーター・イラス
トレーター」。北九州市は夢を実現した多くの人気マンガ家が育ち、輩出してきまし
た。このまちで、子どもたちが大きな夢を持つきっかけになればと願い、伝説の少女
漫画家・陸奥A子氏を塾長に迎えたマンガ・絵本塾を企画・実施しました。
➤事業概要
●開催日 : 2024年5月26日(日)、6月9日(日)・16日(日)・22日(土)・23日(日)の全5回
●開催場所: 北九州市漫画ミュージアム
●事業概要:北九州出身で1980年代に少女漫画雑誌『りぼん』で全国のおとめチック
マンガブームを起こした伝説の少女漫画家・陸奥A子氏を塾長に迎え、
小学生〜中学生を対象に、漫画・絵本の知識や実践を学ぶ塾を全5回、
実施しました。最終日には、塾の修了証書の授与とあわせて、陸奥A子
先生から塾生へ、作品の感想とメッセージをいただきました。
➤事業の成果
漫画の都市・北九州市にとって、漫画を描ける人を育てることは大きな目標であると
考えます。当塾で漫画教育を行い、漫画の技術を教えたことは、子どもたちの漫画家
になる夢へのきっかけとなったと思います。
また、この事業の実施が、会場として利用した北九州市漫画ミュージアムの、漫画を
描くことができる体験型施設としての存在感を伝える機会になったことも有意義で
あったと考えます。
➤課題と今後の展望
参加者一人ひとりのレベルに合わせて漫画を教えるための教材作りや広報媒体の選定に
少し苦労しました。
参加者募集で反響があったものの、受講するために5回小倉に来ていただくことが保護
者の負担となり、結果的に募集に苦戦。最終的に10名の募集に対して8名の参加になり
ました。
今後はまず、地元北九州市の子どもたちの漫画や絵本を描くことへの興味を広げ、絵を
描く感性を育てるために、例えば、小学生に漫画を教えるアウトリーチ授業、中学生
向けに漫画を教える取り組み等を考えています。 また、大人向けの漫画スクール体験
機会づくりやデジタル漫画制作を教える専門教育の可能性などを検討したいと思って
います。
➤1000人の夢寄金について
1000人の夢寄金に助成いただけてとても助かりました。また、塾生募集において、
貴寄金にご支援いただいていることは、参加親子の事業への理解(安心感)作りにも
繋がりました。 1000人の夢寄金で助成した事業の実施写真をまとめた実績図録が
あるとわかりやすいと思いました。
○陸奥A 子ギャラリーのホームページはこちらをクリック →こちら
✱事業名: Operation Table 2023年度後半期〜2024年度前半期の
企画展覧会と関連イベント
完全自主運営の表現空間で異彩を放つアートを展開
公立美術館等の学芸員を務めた主宰者が2011年に実家である動物病院を生かし、完全
自主運営で美術館や画廊とは異なる表現空間Operation Tableをスタート。多くの人に
親しまれる施設になればとの想いを胸に八幡の地で4つの企画展やコレクション展示、
講演会、ワークショップ、映画上映会を企画・実施しました。
➤事業概要
●開催日 : 2023年12月〜2024年9月
●開催場所: Operation Table
●事業概要:『アキレスと亀と旅ねずみ―生島国宜、アキレス・ハッジス、亀川豊未』、
『没後10年 國府理 自動車塔の追憶』、『ORANGE DIFFUSION トモキヨは
香りばら撒く』、『NAGAB-長崎からのアール・ブリュット』、松野真知
トーク『ドクペルーの映像作品制作に参加して』、 山本聖子『白、シロ、
黒、赤、そして緑-産業近代化の果てに辿り着いた不自由な身体について』
等、全国のアーティストや美術愛好家の関心を集めてきたOperation Table
ならではの5つの展覧会と2回のアート関連トークセミナー、アーティスト
トークを実施しました。
➤事業の成果
『アキレスと亀と旅ねずみ―生島国宜、アキレス・ハッジス、亀川豊未』では、会期を
5期に分け、毎週展示を替え何かが起こり変化していく内容で展開したり、出展した美術
家同士で相互の表現領域や素材、様式、主題などを交換・共有する試みを行ったりする
など、会期中に毎週展示を替えるなどの工夫を凝らして展開。会場が変化するたびに、
たびたび足を運んでくださる来場者もいました。
『没後10年 國府理 自動車塔の追憶』では、この展覧会が唯一の開催であったため、全国から注目
を集め、遠隔地からの多く方々に来場いただきました。
『ORANGE DIFFUSION トモキヨは香りばら撒く』では、作家がドイツ滞在時に刺激された出来事
に関連し、柑橘の皮を絞りエキスを取り出すワークショップを開催。来場者と作家、来場者同士の
交流を実現しました。
『NAGAB-長崎からのアール・ブリュット』には、北九州身障者福祉協会アートセンター
関係者との連携がとれ、長崎から4名の出展者に加え、北九州から2名の参加があり、
Operation Tableの活動の社会性を拡大することができました。 上記のほか、年度を通じ
て300人余りの方々に来場いただきました。美術愛好家に限らない幅広い層の来場者に
美術作品や活動に触れる環境を作り出せたことで、北九州の文化状況へ多少でも刺激に
なったのではないかと思っています。
また、地元の団体と連携した企画や地元と他地域のアーティストの作品を同時に紹介して
地域の人びとに親しんでもう企画、アート以外に関心を持つ人々の興味を誘う企画も展開
しています。
➤課題と今後の展望
申請時に予定していた企画展が予算の関係で実施困難になったが、代わりに別の企画を
急遽開催することができ、全国から注目され、結果的に良い結果となりました。
また、本来1日限りのイベントだったセミナーをトークやワークショップを挟む3日間展
示としたことで来場者はもとより、参加する美術家たちにも好評であったという新たな
発見もありました。この結果は、企画を一層多様性に富むものにするための示唆となり
ました。 実現した事業を通して市内で演劇や映画、音楽の分野で活躍する人々とのつな
がりが増え、美術愛好者に限らない人々との関わりを今後さらに深めていきたいと考え
ています。
➤1000人の夢寄金について
今回助成金を受けられることになり、改めて1000人の夢寄金の活動に注視しました。
過去に助成を受けてきたグループや個人の活動の一覧をみて、既知のものもあれば、
これまで関心を向けていなかった分野の多彩な活動を知り、北九州の文化の活動に共感
や激励の念を覚えました。助成事業の予算を支える寄付金制度を知り、感謝の念を感じる
と同時に、小規模でも自身も参与できればと思いました。
○事業主体であるOperation Tableのホームページはこちらをクリック →こちら
第12回助成もみなさまからのご寄付により実施することができました。
心より感謝申し上げます。どうもありがとうございます!