お知らせ・活動記録
Information/Activeity Log
生き方のデザイン研究所「障害のある人の暮らしを知ろう」
紅葉の季節となりましたね。
さて、1000人の夢寄金 第6回助成事業の1つに
「子どもたちが主体的に生きるチカラを育む『生き方のデザイン授業』」という事業があります。
これは、生き方のデザイナー(障害があることを強みに自分らしい生き方をデザインしている人びと)を講師に、
北九州市内の小学4年生から6年生を対象に行う教育事業です。
11月14日(火)10時50分から12時まで、北九州市立鞘ヶ谷小学校で行われた
「生き方のデザイン授業」を取材してきました
この日の授業は4年生全員29名が対象。
「生き方のデザイン授業」として第3回目となる「障害のある人の暮らしを知ろう」という授業でした。
3年前まで保育士をなさっていたという聴覚障害のある生き方のデザイナー、内田さんが、その日の講師でした。
北九州市要約筆記サークルの2名の方も補助役として参加し、
この事業の展開している生き方のデザイン研究所代表の遠山さんが総合司会をつとめていました。
総合学習の3、4時限目を使って行われたこの日は、前半で内田さんの実生活での体験談を聴き、
後半に全員がゲームをしながら学んだあと、生徒からの質問コーナー。
そして最後に全員で楽しい給食をいただいて締めくくるという流れでした
内田さんの実生活での体験談は、社会生活と自宅の中でのお話でした。
音が全く聞こえないとどんなことが起きるのか、またそれにどうやって対処しているのか。
車はもちろんのこと、自転車もクラクションや呼び鈴が全く聞こえないところでの対応の難しさを
切実に訴えられました。
公共の乗り物や公共の場所ではテロップの重要性を強調されました。
自然災害や重大事故などで避難する場合のテレビの画面上の字幕もたいへん役に立つことを教わりました。
一方、自宅の中に居れば安全というわけではなく、
誰にも頼れず一人で全て対応しなければいけないとどういったリスクが潜んでいるのか等もお話しいただきました。家の中ではアラート・マスターという音を光と振動に変える機械が役に立つことを学びました。
訪問者のチャイムはフラッシュの光に、目覚ましや体温計は振動に変えて対応するものでした。
いろいろと工夫して対応はしているものの、「洗濯機の中に洗濯物を忘れたり、電子レンジの中に温めたものを出し忘れたりなどはどうしようもありませんね」とおっしゃられましたが、これは筆者もよくやってしまいます(汗)
前半最後に筆談のできるホワイトボード・ポケット版とも言えるような商品が紹介されるとみんな興味津々、
休み時間も忘れて使っていました。
後半はゲームと質問コーナーです。まずは口パク伝言ゲーム!
1チーム7~8名で担任の先生や講師の内田さんが加わり、全4チームが頑張りました!
最初は無言のまま口パクで言葉を伝えていきます。
最後まで行ったら今度は逆順に声に出して回答を発表していきます。
バンド ⇒ マント ⇒ パン粉 ⇒ マンゴー ⇒ マンゴー!
カラス ⇒ カラス ⇒ ガラス ⇒ ガラス ⇒ ガラス ⇒ モヤシ ⇒ シュークリーム!??
アンコ ⇒ アイス ⇒ アイス ⇒ アンコ ⇒ アンモナイト ⇒ ホットモット!??
モチダンゴ ⇒ コシアンコ ⇒ コシアンコ ⇒ チョウチンアンコウ ⇒ キビダンゴ ⇒ ウーロン茶?????
最初のお題と伝わった内容が全く予想外で、みんな盛り上がりました(笑)
全員で遊びながら言葉を口の動きだけで相手に伝えることの難しさを体で覚えていきます。
4年生のみなさんは、10月に第2回目「障害のある人の暮らしを知ろう」視覚障害のあるの方の授業を既に受けているので、目の見えない方への対応や盲導犬に対する対応などの知識があります。
この時の感想文を読ませていただきましたが、みんなページ一杯に感想が書いてあり、中には裏面まで埋め尽くしているものもありました。よく理解できていることが伺われます。また、感心したのはきれいな文字を書く子どもたちがたいへん多いことでした。
小学生くらいの年代から、さまざまな障害のある方々に対する正しい理解を勉強し、意識付けをやっていくことは
将来子どもたちが成長し、大人になった時にきっと役立つ場面があると想像できます。
1000人の夢寄金が少しでもこのような素晴らしい事業を応援できることをたいへん嬉しく思います
「生き方のデザイン授業」は、2時限を4回にわたって行い、最後の5回目にキャリア教育として6時間を使いドリームマップ授業を実施します。
毎回の授業内容準備、講師依頼、学校との交渉など、実施している生活のデザイン研究所は、たいへんなご苦労があるだろうと思います。
また、この授業をカリキュラムの中に取り入れている学校側の対応も素晴らしいと思いました。
校長先生のお話では鞘ヶ谷小学校では伝統的に取り組まれているそうです。
一連の授業もあと2回で終わります。少なくとも来年1月の「まとめの授業」にはぜひ参加させていただき、
またこのトピックスでご紹介したいと思っています
4年生29名が参加しました。 北九州市要約筆記サークルのお二人(左)
本日の講師生き方のデザイナー内田さん ミニホワイトボードを紹介する遠山代表
休み時間も生徒がどんどん集まります 口パク伝言ゲーム、言葉を伝える難しさ
音の拍手の代わりに両手を上げてヒラヒラ 感想文は空欄がなく目一杯記入!
スタッフも全員参加して給食交流開始です!