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小倉祇園平松の神輿を取材しました!
平成29年7月15日(土)1000人の夢寄金第5回助成先平松町アーカイブ事業のひとつ
「小倉祇園 平松の神輿」を取材してきました
福岡県夏の三大祭として知られる小倉祇園祭では、大漁、五穀豊穣、無病息災、家内安全を祈願して小倉市外を巡幸し、祭りのクライマックスである祇園太鼓競演会の露払いとして勇壮な練りを披露します。
今回取材した平松神輿は小倉北区平松町に江戸時代から代々受け継がれてきた由緒ある御神輿です。
先祖代々引き継がれてきた口説(くどき)の歌声と合いの手は、源平時代からの戦いに向かう武将の気を感じさせ、
その詞の内容も他に類を見ないものです。
北九州市のホームページによれば、この神輿は、「小倉祇園が近代化によって「太鼓祇園」の色彩が強くなってきているなか、江戸から明治にかけて町方が行なってきた「廻り祇園」の形態を残しており、
平成22年には北九州市無形民俗文化財に指定」されたそうです。
午前10時に参加者が集合、準備したのち、11時からは八坂神社の3名の神主が平松町に来られ、
御霊授受と神輿の神入れの儀式が執り行われました。
儀式後は町内を練り歩きながら公道を通り八坂神社に向かいました。
一旦八坂神社境内に乗り入れた後、再度出発し小倉の街中を練り歩きました。
旧電車通り、魚町、小倉駅前交差点、平和通交差点、北九州市役所前を通り最後は太鼓競演会会場へ練り歩く神輿。
この間、口説(くどき)という勇壮な歌と合いの手が続きます。
この独特な節回しの神輿口説は口頭伝承により代々受け継がれているもの。
もちろん誰にでもできるものではなく、指名された者は数年にわたって指導を受け、習得に励みます。
祇園太鼓競演会では最初に登場し、露払い役を務めます。途中、神輿を練りながら、堂々行進していきます。
八坂神社に戻ったら、境内で最後の練り上げです。気合が入ります。
その後、御神輿を本殿に乗り入れ、神主により御霊が戻って行かれました。
その間、目を伏せ成り行きを見ることはできません。
私もその通りにしましたので、全員が頭を垂れている画像はありません
祝詞があがる厳かな雰囲気の中、御霊が戻って行かれました。
気温34℃ 心配した雨も無く、暑い熱い一日でした
平松町にはこの他にも平松盆踊りと盆口説、御大師堂祭など様々な地域の伝統行事があります。
平成6年から18年度にかけて、この地域では大規模な住環境整備事業が行なわれました。
町の姿は激変し、住民の生活にも大きな変化が生じました。
しかし、町に戻った地元住民は新たな自治組織を模索しながら、
伝統的な歴史文化と昔ながらの人間関係、生活文化を何とか引き継いでいきます。
一方、旧住民の高齢化と減少は急速に進行中であり、地域伝統文化や伝統行事の持続が難しくなりつつあります。
これらを映像として残し、鑑賞ワークショップを地元で継続して開催することにより、
新旧居住者・出身者が共に映像を鑑賞し、町の歴史・文化・生活や記憶を話聞く場を設ける。
そして、そのことにより地域文化の新たな発見と継承を促進し、新旧住民間や世代間の交流の機会とする、
それが、みなさまの寄付により助成させていただいた「平松アーカイブ事業」です。
この事業で撮影を続けるうちに、町の住民の方々からもそれらの記録・保存を求められるようになったそうです。
こうやって、この事業は、「個人の記憶」だったものが、
「町の記憶」と「町の記録」に変わる機会を提供することができているのです。
現在、町おこしイベントや特産品の開発などによる地域おこしは各地で当たり前のように数多くおこなわれていますが、この平松アーカイブ事業は根本的にこれらとは一線を画すものです。
平松アーカイブでは、平松町に実際に居住し、住民のみなさんと同じ生活環境の中で活動します。
新旧居住者、違った世代間にいる人たち、ふだん全く顔を合わさず、関係を持たない人たち、
この事業は映像を通して、人と人を結び付けていく事業だと実感します。
また活動の中で、50年前、30年前の祭りのビデオテープも新たに見つかっています。住民の方から提供があったものですが、もしこの行事が運悪く途切れたとしても映像と記録がその再生を可能にします。
それによって地域文化や伝統行事が確実に受け継がれていくのです。
平松アーカイブ事業は、目に見えない住民のみなさんの心をつなぎ、過去と今と未来をつなぎ、
そして伝統文化を見える形にして受け継いでいく、そんな事業です。
みなさまのご寄付により、この事業に助成できましたことを心から感謝申し上げると同時に、
とても誇りに思っています
御霊授受、神入れの儀式 御神輿出発です! 責任重大!撮影スタッフ! 西小倉駅前交差点
御神輿を斜めにして通過! 八坂神社境内へ乗り入れ 記念写真 総勢90名以上 鳥居も斜め通過!拍手が起こる
旧電車通りを練り歩きます 魚町銀天街入口付近 市庁舎も祭り一色!窓注意 太鼓競演会本番 堂々露払い
唯一の女性口説(くどき)! 大役終了です! 御神輿が本殿に乗り入れ 御霊が戻られます